サービス強化 今期500億円投入
みずほ銀行の杉山清次頭取は7日、産経新聞のインタビューに応じ、預金者への利益還元のため、超低水準にある普通預金の金利について日銀のゼロ金利政策の解除前に他行に先駆けて引き上げに踏み切る方針を明らかにした。また、過去のシステム障害や店舗統廃合で顧客の利便性を損なってきたことから、サービス向上に今期500億円以上の戦略経費を投入する考えも示した。(渡辺浩生)
前期決算で過去最高益を挙げたみずほフィナンシャルグループなどメガバンクに対し、預金者や顧客から「もうけ過ぎ」と批判が上がっていることについて、杉山頭取は「不良債権処理に備えて過去に積み上げた引当金の戻し入れなどが発生したためで、もうけ過ぎとは必ずしも思わない」と反論した。
ただ、平成14年のグループ発足直後に起きたシステム障害や取引先によるみずほグループの1兆円増資引き受けなど「この4年間、お客さまや株主に迷惑をかけ、利便性も損なった。これから利益還元していきたい」との考えを強調した。
預金者の不満が強い預金金利については「市場が決める水準から逸脱する金利を設定するのは難しい」としたものの、0・001%という歴史的低水準の普通預金金利は「ゼロ金利解除の時期を確信できれば、実際に(日銀の誘導金利が)上がる前でも他行より早く引き上げる考えだ」という姿勢を示した。具体的な引き上げ幅については言及を避けた。
また、その他の利益還元方法については、クレジット機能一体のカード「みずほマイレージクラブ」の利用者を対象とした手数料の引き下げ・無料化を柱に、個人向け店舗の新設▽バリアフリー化や顧客用トイレの設置▽窓口での待ち時間短縮化-などを挙げた。
こうしたサービス強化に向けた戦略的経費について「年間の運営経費の削減分に相当する以上の額を増強したい」と語り、今期はみずほ銀単独で500億円以上を投入する考えを示した。
ただし、みずほ銀で49兆円に上る預金の運用環境をめぐっては「企業の借り入れ需要は伸びておらず、今、預金だけいただいても銀行の経営は厳しい。預金を投資信託とか個人国債に振り向けるよう努力しなければ収益を生む構造にならない」との考えも吐露した。
一方、みずほ銀はメガバンクで唯一、消費者金融と提携戦略をとっていないが、杉山頭取は「大正解だった。(利息制限法の上限を超える)グレーゾーン金利の世界に大手銀行が入っていけば、国民の非難を浴びると思ってきた。今後も提携はない」と強調した。